「“せうゆ”から“しょうゆ”へ。味の記憶と、醤油の話」

Uncategorized

こんにちは。
冷ややっこ、玉子かけごはん、焼き魚、煮物──
日本の食卓で「醤油」が使われていない日は、おそらくない。

でも、その正体についてちゃんと考えたことって、実はあまりなかった。
今日はちょっとだけ、“しょうゆ”の話をしてみたい。


📜 「せうゆ」って何?

古いレシピ本や、江戸時代の文献を読むと、「せうゆ」という表記が出てくる。
「醤油(しょうゆ)」の昔の呼び方で、平仮名もカタカナもまだ統一されていなかった時代の名残だ。

たった数文字だけど、そこに時間の流れを感じる。
味そのものは大きく変わっていないのに、言葉だけが静かに変化してきた
そんなことにふとロマンを感じてしまう。


🧪 醤油の成分と、なぜ“うまい”のか

醤油の味には、主に以下の成分が関わっている。

  • 塩分:味の柱。保存性にも貢献
  • アミノ酸:旨味成分。タンパク質が発酵して生まれる
  • 糖分:発酵の副産物。ほのかな甘味
  • 有機酸:すっきりとした後味
  • アルコールや香り成分:食欲を刺激する香ばしさ

一言で言えば、**「塩味+旨味+香ばしさ」**の絶妙なバランス。
シンプルな食材にかけるだけで成立する味の正体は、この“複合的なうま味”にある。


🍽️ 醤油の使い方は「料理ごとに変える」が正解

冷蔵庫にある1本の醤油で何でも済ませる人、多いと思う。
(かつての自分もそうだった。)

でも実は、**醤油にも「使い分け」**がある。


🍶 醤油の主な種類と特徴

種類特徴主な用途
濃口醤油(こいくち)日本で一番ポピュラー。塩分約16%。香り・旨味・塩味のバランス◎ほぼ万能(煮物、焼き物、かけ醤油)
薄口醤油(うすくち)色は薄いが塩分は濃口より高い。素材の色を生かしたい料理に。だし巻き卵、吸い物、白和えなど
たまり醤油大豆の割合が多く、とろみと深い旨味。グルテンフリーのものも多い。刺身、焼きおにぎり、照り焼き
再仕込み醤油通常の醤油で仕込み直す贅沢品。濃厚でとろみあり。寿司、ステーキ、冷奴など“かけ醤油”向き
白醤油小麦が多く、淡い色と甘めの風味。東海地方でおなじみ。茶碗蒸し、お吸い物、炊き込みごはんなど

🍳 使い分けてみたら、料理の印象が変わった

正直な話、最初は「どうせ同じだろ」と思っていた。
でも、例えば冷ややっこに“再仕込み醤油”をかけてみたら、
普段の木綿豆腐が、ちょっとした酒肴みたいになった。

炒め物に“たまり”を使ったら、香ばしさが倍増して食欲が爆発。
つまり、ちょっとしたことで、料理の“格”が変わるのだ。


💭 昔も今も、変わらない“旨さ”がある

「せうゆ」と呼ばれていた頃の人たちも、
焼き魚にちょっとかけて、「ああ、うまい」と思ったのかもしれない。

今の私たちは、その延長線にいる。
便利な時代になったけど、“何に何をかけるか”を選ぶことの贅沢さは、昔も今も変わらない。


📝 まとめ:せうゆの時代から続く、味の文化

1本で済ませてもいい。
でも、時にはちょっと違う醤油を試してみると、
料理がもっと楽しくなる。

言葉が変わっても、味は生き続けてる。
「せうゆ」も「しょうゆ」も、今日のごはんにそっと寄り添っている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました